-----BEGIN PGP SIGNED MESSAGE----- Hash: SHA1 題名: フリーソフトウェアと自由な社会 〜 Richard M. Stallman エッセイ集 著者: Richard M. Stallman 翻訳: 長尾高宏 出版所: 株式会社アスキー ISBN: ISBN4-7561-4281-8 発行日: 2003年5月11日 価格: 3,200円 ローレンス・レッシグがこの本に寄せた序文の書き出しはこうだ。「時代には、 必ずそれを代表する哲学者がいる。...私たちの時代にも、哲学者がいる。彼 は芸術家ではなく、職業的な作家でもない。彼はプログラマである。」 リチャード・ストールマンを六本木の宿舎まで送り届け、帰宅する電車の中、 この一節が目に飛び込んできたとき僕はあぶなく人前で落涙するところだった。 本書はフリーソフトウェア運動を始めたリチャード・ストールマン自身による フリーソフトウェア哲学を伝えるための論文選書(selected essays)である。 残念ながら、日本においても、またアメリカ・ヨーロッパにおいてもフリーソ フトウェアの概念をきちんと理解している人は少ない。ほとんどの場合、オー プンソース運動とフリーソフトウェア哲学の2つが混同されている。また英語 の「Free」という言葉が「自由」ではなく「無料」という意味も持つので、無 料のソフトウェアと混同されることもある。 彼は英語の曖昧さを嘆き、日本では「ジユウナ(自由な)ソフトウェア」と呼 ぶ方がよいと主張する。もちろんこの「自由」とは古来、「勝手気まま」とい う意味で使われていた自由ではなく、福沢諭吉らがLibertyやFreedomの意味を 新た与えた後の「自由」である(だから「ジユウナ」はトートロジーである)。 ちなみに彼に「自由の本来の意味はselfishという意味も含むよ」と教えたこ とがあるが彼曰く「無料よりは、まだましだ」 それはさておき、この本を読み進めるうちに、なぜ自由な社会には自由なソフ トウェアが必要であることがわかってくるだろう。そして今、近年出現した DMCA、Trusted Computing あるいはソフトウェア特許といった自由を阻む脅威 に我々が晒されていることもわかるだろう。 蛇足かも知れないが、人文学系の人には、本書はさらにお勧めである。未来の 選択を強いられている故に自由は重荷であるなんてことをサルトルは云ってい るわけだが、サルトルから最も遠いと思われるコンピュータ世界でリアルタイ ムに自由を守る戦いが繰り広げられているのだ。その目撃者となるのを見逃す 手はない。 Happy Hacking!! すずきひろのぶ 改変なき条件下にて再配布可 -----BEGIN PGP SIGNATURE----- Version: GnuPG v1.2.1 (GNU/Linux) iD8DBQE+2CV9vVi2kgKRLFMRAoEkAJ99vDB8cN1XQUk70WXmNkuX8RozMACfQzi6 WJ7FCaIXVilixvHAqQ8FE+Q= =IUBz -----END PGP SIGNATURE-----